漫遊いばらき!stamp rally club

スタンプラリーと出会った少女【ちひろ】 に翻弄される仲間達の物語

距離感

人と人の距離感って難しい・・・

同期同士でも難しいのに、先輩と後輩、さらに異性となると複雑怪奇だ。

でも、複雑にしているのは常識と言う見えない壁と感情だけで、本来はシンプルだ。

人が集まる目的は色々である。

一人では続かないから誰か一緒に・・・

新しいコミュニティーに属したい・・・

出会いを求めて・・・

スタンプラリーは目的か?それとも手段か?と問われれば、俺は手段と答える。

 

スタンプラリー部に新たな3人目の子羊(さきちゃん)が入部してくれた。

彼女が入部したいと思った目的は解らない。

何気なく誘われて、純粋に面白そうと感じたのかもしれないし、

ちひろから「これ以上2人は辛いから」と嘆願されて仕方なくかもしれないし、

もしかしたら俺に興味があって・・・

可能性と選択肢はどんなに低くても捨てるべきではない。妄想は自由である。

 

ちなみに、ちひろと同期の子羊2人は、ちひろの誘いに対して乗り気では無い。

3人では良く遊んでいてリア充なので、仲が悪い訳ではなさそうだ。

もしかすると俺が嫌われている可能性もあるが、その可能性は捨てておこう。

ネガティブな考えよりは、ポジティブに考えた方が良い。

こうして凡人は己の行いを反省せず、同じ失敗を繰り返す。

愚かな生き物である。

 

スタンプラリー部は一応拡大路線では考えている。

しかし、間口を広げ過ぎて集まり過ぎると、好まざる人が入って来たりで色々面倒である。だから勧誘は、ちひろに任せることに勝手にしている。今言った。よろしく。

「ちひろと、さきちゃんと遊びに行くけど行く?」と俺が誘えば、男子は入れ食い状態だろう。

なんせ二人とも新入社員言うだけあって若い上に可愛いいからね。

これからさらに垢抜けて奇麗になり、手の届かない所に行ってしまうのだろう。

だから今は男でも女でも、二人が遊びたい、誘いたい人を誘えばいいと思う。

俺はつかの間のハーレム状態を楽しむ事とする。

 

さて、ちひろとは部署もオフィンスも違うが、ある社内組織で一緒になり、半年間活動を続ける間に徐々に距離感が縮まって現在に至る。

さきちゃんとも、急がずゆっくりと、お互いに不快にならない丁度良い距離感を構築して行きたいものだが、スタンプラリー部以外での関りが少ないので時間が掛かりそうである。

 

そう言えば、さきちゃんの「良い女」をアピールするエピソードが1つある。

今回は入部歓迎のブログなのでヨイショしておこう。

 

元上司と俺の二人で夜の門番をしていた時の話である。

夜7時頃に会社を出て来たさきちゃんは、たまたま門番の所に来る用事があり、そこで我々に捕まってしまった。

元上司は現在部下が女性だらけで、急に飲みに行きたくても誘いずらいと嘆いていた。

俺とさきちゃんは、「そんなの気にしてるのは男だけですよっ」と諭す。

さらに俺はさきちゃんに同意を求める様に、「いきなり誘われて、行くって言ってくれる人の方が好感持てるよね!」と布石を撒いてしまった。

また、門番はPM7時~9時までの2時間あるのだが、まだまだ先は長い。

昔話を延々とさきちゃんに話して聞かせる元上司から、さきちゃんを開放するタイミングが何度かあったにも関わらず、俺はそれをしなかった。

俺は私利私欲に負けたのだ。

さきちゃんが居なくなったら、また元上司と二人っきりになる。それは辛い・・・

俺はさきちゃんを生贄にし、そのまま9時まで拘束してしまったのである。

「最低だ!」という罵声が聞こえて来そうだが、受け入れようではないか。

ああ、俺は最低だ!

人はこれを「開き直り」と言う。

 

しかしそんな最低な男にも、若干の罪悪感は持ち合わせている。

「もうこんな時間だし、何か食べにいくかい?」

一見優しい人を演じているが、よくよく考えると、「こんな時間まで拘束した張本人が何を言う!」である。

しかしさきちゃんは明るく笑顔で「行きますかっ!」と言ってくれたのである。

ここにも天使発見!

だがしかし、ここにも一つ、俺のいやらしい布石が効いて来るのである。

さっき同意を求めてしまった「いきなり誘われて、行くって言う人の方が好感持てるよね!」である。

きっとさきちゃんの心の中には、この布石がずっしりと重しになっていたに違いない。

しかしそんな事は微塵も感じさせず、さきちゃんはその後の夕食を付合ってくれました。

なんていい子なんだ!

と言うか、俺の最低さを書いたブログになっている気がするが・・・

 そう書きながら、俺は悪魔の様に微笑むのであった・・・